君が君を好きになって。
「じゃー、取り掛かりましょう!」
「イエーイ」
妙なテンションを持って全員が思い思いに青を手に取る。
「小玲も、ハイ」
「ありがとう」
「綿貫ー!脚立使うー?」
「うっせー、馬鹿にすんな!」
「牛乳飲めよ!」
「嫌いなんだよ!」
菜束もその会話に笑って、画用紙と向き合った。
「よし…」
自然と笑顔になるような青を、青、青を。
画用紙の白を消し去るように、
でも優しく、
いつも菜束たちの天上にいる空を、
30人で精一杯描いた。