君が君を好きになって。
片付けも終わって、後夜祭だと校庭に生徒が集まる。
菜束と碧は菜束の教室、6組に二人で残った。
「あー…やりきった感」
「本当…馬鹿みたいに押し寄せるね」
「楽しい文化祭だった」
「私も」
碧がこちらを向く。
──あ、透明だ。
菜束は久々にそう思った。
「綿貫は小玲が明るく元気になったと思います!」
碧は手を挙げて笑う。
「同感です。小玲は自分の夏休みが色々ありすぎて疲れました」
「判ります!俺も色々ありました!宿題一個出し忘れてます!」
「出しましょう!」
また二人は笑った。
「──でも何かアレだな。最近小玲笑ってくれるから嬉しい」
「え…」
「ぜーったい笑ってて!」