トラックで輝く君を
「吉田くん、…蜜菜のこと好きなんでしょ?」



サメやエイがいる、大きな水槽の前にあったソファーに座って休憩していたら、田尾さんに言われた。





「鈴木くんと蜜菜のこと、
水槽のお魚たちよりも気にしているみたいだしね?」





田尾さんは鋭い。





「………。」



「蜜菜には言わないよ?
…でも、吉田くんに言っておくとしたら、あの子には好きな人いるわよ。」



「…涼平、ですよね?」



「……誰かは、私は言わない。
気になるなら本人に聞くのがいいと思うわ。」



「…見てればわかる。」



「そうかしら?」





わかる。

というより、わかっちゃうくらい俺が佐藤さんのことを見てるんだと思う。





「じゃあ、仮に蜜菜が鈴木くんを好きだとしたら、今の状況のままでいいの?」



「田尾さんは敵ですか?味方?」



「どちらでもないわ。
恋愛に関して、誰かに協力するとかいうのはしない主義。
話を聞いてあげるだけよ。」



「ふうん。」





でも、佐藤さんの恋を応援しているんだろうな。

そうでなきゃ、こんな風な展開にはなってないはずだし。





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