トラックで輝く君を
いつもの場所は、まだ時間が早いせいか誰もいなかった。

毎年、もう四、五人はいるのに。





「ここ、どうして知られてないんだろうね。」



「蜜菜。それ、去年も同じことをあんた言ってたよ。」



「そうだっけ?」





花火までの時間、またゆかりとおしゃべりんした。

その間に、去年もいたらしき地元と男の子たちが四人来た。





───……

もうすぐ時間。

高杉の花火は、定刻とともに一度大きな赤い花火が上がる。


それが始まりの合図。





「来年は彼氏と来たいな。」



もうすぐ花火が上がる時、ゆかりはぽつりと呟いた。





「…彼氏ねぇ。
ゆかりならすぐ出来そう。」



「いやいや、脈なさげ。」





だいぶ前に話してた人かな?

名前…は覚えてないけど。







ひゅ--…



ド---------ン!!!!





真っ赤な花火が、高杉の空に見事に咲いた。

これからショータイムが始まる。





今年の花火は今までの中で一番出来がいいのか、すっごく綺麗で感動。






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