トラックで輝く君を
まずはじめに走るのは一年だから涼ちゃんだった。

…チームは違うけれど、
やっぱり部員さんのことを応援したくなる。涼ちゃんなら尚更。





「あら、鈴木くんじゃん。」



あすか先輩が言うから、スタートに目をやった。

そこには、スタブロをセットしている涼ちゃんの姿。



胸がキューンとするのを感じた。





「応援出来ないのが残念。
しかも、鈴木くんが走ったら他の子勝てなさそう。」



…確かに。

涼ちゃんは県大会にも出場出来るだけのタイム持ってる。



けど、走者は野球部もバスケ部もいるから分からない。





「蜜菜、どうする~?」





智美が意地悪に聞いてくる。



まったく、あすか先輩にもしもバレたらどうしてくれるのよ。





「よっしーと萩原くんの応援に決まってるじゃん!」



よっしーと萩原くんっていうのは偶数組チームの選手。

二人とも私とはクラスが違うんだけど、体育大会の関係で仲良くなった。





「…勝てるのかな?」



「…微妙?」





よっしーも萩原くんもバスケ部員だけど、長距離の方が得意らしい。


じゃあ、1000Mに出ればよかったのに…と思ったのは内緒。





だって、なぜか知らないけど
偶数組って運動部率がビックリするくらい低かったんだもん。



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