トラックで輝く君を
体育委員の人も、どうしたらいいのか分からなそうな顔してる。



あなたは悪くないですよ-!





どうするのかな?

何回かやれば一回くらいはいい音が出るけど、失敗のたびにやり直すわけにもいかないもん。





「佐藤-!ちょっと来い!」





ん? 佐藤って…私?

あんまり、佐藤って呼ばれるの好きじゃないんだよね。



だって、佐藤って苗字は全国1位なんだもん。

普通だし、いっぱいいるから自分かどうかも分からない。





「蜜菜!ちょいこっち!」





あ、私だったみたい。


キョロキョロしてみたら、さっきの体育委員さんのそばに、齋藤先生と健人先輩が大きく手招きしていた。




「はい、なんでしょう?」



「蜜菜、スターター代わりにやってくれないか?佐々木が無理らしくて。」



「佐藤、お前出来るよな。」





って、おい!

私は一応、学級委員の仕事があるんですけど-!





まあ、いいや。




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