トラックで輝く君を
「本当に大丈夫か?」





…何も聞かないでくれるのは、
涼ちゃんの優しさなんだよね。





「……うん、大丈夫。」



「あんまり無理すんなよ?もうしばらくここにいるか?
若干、寒いけど。」





涼ちゃんは、どうして優しくしてくれるんだろう。

優しくされると、どうして泣きたくなるんだろう。





「うん、ごめんね。」



「謝んな。」



「…ありがと。」





あぁ、あなたを好きになった理由が今なら分かる。

絶対に言えないと思うけど。





「佐藤-。」



「なぁに?」





ペンギンのショーが終わった屋外のショー会場には、私と涼ちゃん以外誰もいない。





「悩みとかあんなら、俺はいつでも聞くから。一人で抱え込むなよ。
気のきくアドバイスとかは…出来ないけど、聞くことは俺にも出来っからさ。」





涙が一粒、こぼれた。

よかった…ウォータープルーフのコスメ使って。





「…なんかあるのか?」





私は何も言えなかった。





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