トラックで輝く君を
「佐藤はいつもニコニコ笑って俺等のこと元気づけてくれる。それには本当に感謝してる。
けど…たまに寂しそうな表情するんだよ。
何か心にあるなら俺、聞くよ?」





私は必死に涙を止めた。

涼ちゃんには、すべてを見透かされている気がした。



でも……
やっぱり話せないんだよ。





「ありがと。
…けど、今は話せない。」



「信用ない?」



「…違う。話したくないだけ。」



「そっかぁ…。」





ごめんね、涼ちゃん。

せっかく、こんな私にも優しくしてくれるのに。





でも、この話を聞いたら…もしかしたら私を嫌いになるかもよ?

それでも、私の話を聞いてくれるんだろうか。





「ま、クリスマスだしな。景気の悪い話はやめにすっか。
そろそろ中に入ろう。…冷えちゃうからさ。」



「うん。」





私は涼ちゃんの隣を歩く。

何も言わない私なのに、それでも優しい涼ちゃんにますます惹かれた。



ブレーキの意味が、だんだんなくなってきたかも。





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