トラックで輝く君を
「悲しいなら話さなくていいよ。無理やり聞き出す気ないし。」





…もう、泣きそうだって。

涼ちゃんに惹かれない理由がどこにも見当たらない。





「うん。…でも、いつか
話したくなったときには聞いてくれるよね?」



「もちろん!」





涼ちゃんはまぶしい笑顔で笑ってくれて、私の心も温かくなる。

すごい、魔法みたいな笑顔。





「うん!元気出た!
涼ちゃん、やっぱり全水槽を制覇しに行こう!」



「おお、いいよ。」





涼ちゃんと二人、小さな水槽から大きめな水槽まで全部見て回った。
回り終わった時には、二人ともクタクタになってた。





「あ、蜜菜と鈴木くん。
ずいぶんと長い水族館デートだったね。楽しかった?」





智美と拓馬は、前と同じように大型水槽の前に座っていた。





「楽しかった-!」



「…またしても佐藤のはちゃめちゃペースに疲れたよ。」



「涼ちゃんだってはしゃいでたじゃんか-!」



「はぁ!?」



「…涼平うるさいし。」



「なんだよ拓馬まで!」





しばらく大型水槽の前で4人でしゃべって、そのまま電車に乗って帰った。




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