トラックで輝く君を
私たちが付き合い始めても、まわりはさほど驚かなかった。

しかも、みんな応援してくれて、いわゆる公認カップルになった。





───……



私たちは、大きな喧嘩をすることもなく付き合っていた。

そのまま1年が過ぎた。





そこで、事件は起きる。








1年の記念日が近いある休日に、治也は、私にプレゼントを渡そうとしていたらしく、買い物に出たそうだった。



そんなこと、私は知らなくて、その日は部活も休みだったからゆかりと遊んでいた。





そろそろ家に帰ろうか、とゆかりと話をしたところに、血相を変えた航兄が来た。





「治也が…事故にあった。」





その言葉のあとのことは、あんまり覚えていない。

ただ、ずっと、航兄とゆかりがそばにいてくれて、私はただ泣いていた。





治也は即死だった。



ちゃんと青信号を渡っていた治也に猛スピードのスポーツカーが突っ込んで。





一瞬の出来事だった、と目撃者だと名乗る女の人が言っていたような憶えがある。





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