トラックで輝く君を
水曜日。



私たち陸上部はミーティングのために選択教室を借りて集まっていた。





ミーティングはまず、3年の先輩たちが新しい部長を発表するところから始まった。





「新部長は、健人にやってもらう。副部長は正樹と市村さんにやってもらいたい。」

飯村部長がそう言って、
満場一致で新部長が決まった。





それから、3年の先輩それぞれからの挨拶。

私は飯村部長の言葉に感動した。





「陸上競技は個人競技だから、自分との戦いってことになる。そんな中で、大切なものって目標がある仲間だと思う。
それぞれ目標は違っていたにしても、それに向かう姿勢は同じ。お互いにいい刺激や時にはライバルになって高め合うことが出来るわけ。実際、俺は今横に並んでる全員から力もらったし、前にいるみんなからもたくさん支えられた。
だから、仲間を大切にしてほしい。そこに先輩後輩とかはないし、マネージャーと選手とかもなし。一部員として、みんなで支え合って高めあえる。
そんな部活にしてください。」





その言葉に、3年の先輩たちは涙ぐんでいた。

私も、なんだか泣けた。



ミーティングはその言葉でしめられて、3年の先輩たちは帰っていった。

その後に少し話があって、私たちも解散になった。





3年の先輩たちが引退するのは
やっぱり寂しい気持ちになったけれど、これから新しい代を作れることが楽しみになった。

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