トラックで輝く君を
「なんか、足の筋が張ってるんだけど…佐藤が治せるかもって齋藤先生が言ってたから来た。」



おい。
先生、無責任なこと言わないでくれませんかね。

確かに、治すとまではいかないけど、マッサージで軽減させることならできる。





「足のどこ?」



「ふくらはぎ。切れそう。」



「じゃあ、そこのベンチにうつ伏せで寝て。ちょっと、シューズは脱いでよね!」





中学のバレー部時代に
あまりにも足を壊しまくっていた私に、整形外科の先生が教えてくださったマッサージ。これ、けっこう効くの。



…かなり痛いけどね。

なんか、ツボをいろいろ刺激するマッサージらしいのだ。





「涼ちゃん、中学時代にスポーツやったりしてた?」



「小3からずっとサッカー。」



「そのときに足を怪我したりとか、傷めたりとかは?」



「ねんざと軽めのオスグット。」



「オスグット、いつ?」



「小学生のいつか。ハマってやりすぎたらしくてなった。中学生の時は遊び半分にやってたし、こけたりしただけ。」



「…わかった。とりあえず、マッサージします。」



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