トラックで輝く君を
マッサージを終えたら…





「おぉ、治ってる!」





ぴょんぴょん跳ねながら、足の調子をみる涼ちゃん。

さっきまで、痛い痛いとピーピーピーピーうるさかったのに。

おかげでそばを通る人から、何事か、という視線を浴びたこと…気付いているのだろうか。







…でも、力になれたみたいでよかった。ちょっと顔がほころぶ。





「完全に治ったわけじゃなくて、今まで溜まってた疲れとかを軽減させただけだから。帰ったらちゃんとストレッチしておいてね。」



「おっす!サンキュな!」





涼ちゃんは、短距離のみんなのところへ走っていってしまった。

もう少しだけ…お話していたかった、な。





「蜜菜ちゃんお疲れさまです。」



みずき先輩が、私にお水を渡してくれた。





「ありがとうございます。」




ペットボトルのお水は冷たくて、初夏のむしむしした気候にばてた身体にしみ込んだ。

美味しいっ。



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