【短】Through バレンタイン
--プルルルルル♪
家の電話が鳴り、チョコで汚れた手を即座に洗った私は、電話に出た。
『もしもし。千代?』
電話の相手は、春菜だった。
「もしもし…どうしたの?」
「ごめん…」
「…え……?」
突然の謝罪に少し驚いた。
一呼吸 置いた春菜が、また話し始める。
「すっごく勝手なんだけど…やっぱり心配で、神楽に電話したんだ」
「…神楽に?」
どうして春菜が?
「うん。…それで、神楽に明日 千代との待ち合わせ場所に行くのか聞いた…」
もしかして、春菜は私のことを心配してくれてるの……?