初めては高校生




ドアを開けようとして



「来ないでっ!!」



あたしは思わず叫んだ。



するとピクッと優木は



動作を停止する。



だってあたしの声はもう



半泣き状態だったから。



今すぐにでも泣ける程の震えた声。



「潤ちゃっ…」



「もう呼ばないでよ…っ



辛くなる……今日は仕事休むから



学校行ってきなよ。



朝食はいらないから…っ」



もう自分を追い込みたくない。



だからもう嫌なんだよ…どんどん好きになっていくのが



辛すぎる…。



優木はそれ以上何も言わずに



しばらくすると玄関の音がして



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