【完全版】HIDE&SEEK-心と心のかくれんぼ-
「あ、気良!勇将今屋上で休憩してっから!」



「あ、はい。」



陸人先輩が去ろうとする私に付け足すように言う。



それは多分、会って来いってことだよな。



「仕方ない。」



私は屋上へ足を運んだ。



カンカンっと音を立てて階段を上がり、重たいドアを開く。



「ゆーし先輩?」



返事なし。



誰もいないじゃん。



陸人先輩め、嘘つき。



「はぁ…ってうわ。」



突然何かに引っ掛かってこけかける。



「なんだよって…。」



勇将先輩じゃん。



勇将先輩は壁にもたれ掛かったまま座って寝ていた。



「こんなとこで寝てたら風邪引きますよ。」



ゆさゆさしてみるが、起きる気配はない。
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