【完全版】HIDE&SEEK-心と心のかくれんぼ-
私が首を傾げているとお母さん私の方に来た。



「気良ちゃん、ありがとうな。」



「え…?」



私は突然の言葉に驚く。



お母さんにお礼を言われることなんて、私したっけ?



「勇将を変えたんは、気良ちゃんや。あんたに出会う前の勇将は、氷のような冷たい奴やった。」



「そんな…。」



お母さんは私の手を握る。



「勇将を冷たい奴にしたのは、うちと旦那や。うちらは勇将に自分の仕事を継がせるために、勇将から意思を奪ってん。」



お母さんは一度息を整える。



勇将先輩も雅史も真剣に聞いていた。
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