“涙空”㊦
灰皿の中には数えきれないほどのタバコがあった。

♪♪♪♪~

ケータイの着うたが流れた。

ケータイを見ると『春奈』と表示されていた。

『は…はい…』

春奈の話を聞くのが怖かった。

『美佐??どした?』

『何もないよ…春奈は?』

春奈の声は明らかに高い。

やっぱり啓太とうまくいったんだ…。

『啓太とうまくいったん?』

春奈が言う前に私が口を出した。

『えっ!何で知ってるの?』

『だって病院一緒に啓太と行って花束を花瓶に飾ってたら2人が抱き合ってたから…』

『まじ!でも…ウチやばい!めっちゃ嬉しい!』
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