“涙空”㊦
『彩!…って!啓太…』
私は彩じゃないことがビックリしたんじゃなく…啓太が家に来た事がビックリした。

胸が痛くなる…。

やっぱり…啓太が好きなんかな…?

「美佐?」

『あっ!ゴメン!』

私は啓太の声で我に返る。

「俺さ…春奈と付き合う事にしたんだ…」

チクっ!

私の胸に何かが刺さった感じがした。

『ハハハ…春奈から聞いた…もう…その話はいい…聞きたくない…』

「どしたんだよ?」

『別に啓太に関係ないし…』

「言えよ!」

『美佐ぁぁ!』

遠くの方から声が聞こえた。
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