“涙空”㊦
『美佐!美佐!大変!』
朝から階段をダッシュで上ってくる音と大きな声で目が覚めた。

ガチャ!

いきなり私の部屋のドアが開いたのでびっくりした。

『ちょっと!勝手に入らないでよ!』

『そんな事言ってるひまない!大変なの!前に家来てた春奈ちゃんが!事故あったらしい!今は病院で様子見てもらってる!って』

ハッ!

春奈が?

『ちょっと…お母さん…もうちょっと上手い嘘ついてよ…』

『本当らしいよ…』

お母さんはいつもの声よりもかなり低く言った。
『病院って?何処の?』
私は焦ってしまう。

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