“涙空”㊦
何で許したんだろう…。
私はわからなくなり何故か和紀の胸に顔を埋めた。

『ヒック!どうして?』

「ん…?」

『……何でもない…大丈夫だから…』

私はそう言い和紀から離れた。

「そっか!じゃあ!また来るから!早く寝ろよ」
和紀は少し寂しそうな笑顔で言って病室を出ていった。


ガラガラ!

ゆっくりと扉が開く音で目が覚める。

あれ?私いつの間に寝てたんだろう。

「おはよう!美佐ちゃん!」

朝から声が高い看護婦の声。

『おはようございまぁぁす!』

私は目を擦りながら挨拶をする。
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