“涙空”㊦
私はイチゴを口いっぱいにほうり込んだ。

口の中で甘味がする。

『ありがとう!』

『今日は遅くなったからもう帰るわね…』

お母さんはそう言い病室を出ていった。

『………ハァ』

私は眠さの限界で寝てしまった。



『さっ!今日も頑張るか!』

私は朝から元気よく気合いを入れた。

『あら!おはよう!美佐ちゃん今日は元気がいいじゃない!』

いきなり隣から声がした。

『看護師さん!』

隣にいたのは看護師さんだった。

私は恥ずかしくなり顔を伏せる。

『まぁ!今日で退院できるわよ!』

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