“涙空”㊦
でもそれ以上に和紀が言ってくれた言葉が胸に刺さった。

俺の女に手ぇ出すんじゃねぇ!

この言葉が何度も頭の中から離れない。

『和紀!』

私はいつの間にか和紀の名前を呼んでいた。

「ん?」

和紀は私のほうを見てきた。

『あ…あの…やっぱり…私和紀が好き…』

何回も浮気した事は最低だと思う。

だけど今まで支えてくれた人…。

それは和紀だった。

「………」

和紀は黙ったままだった。

そうだよね…もう遅いよね…。

あぁ…私みんなの前で振られるんだ…。

< 42 / 105 >

この作品をシェア

pagetop