“涙空”㊦
『うん…』

和紀の顔が真顔だったので私の顔も真面目になる。

「俺…最近さ…何かさっきまであった事が忘れる事が多くてさ…病院で相談したんだ…そして検査した結果…ちょっとした記憶障害らしい…それでさっきも今まで美佐と何してたんだろう…って思ってたら美佐が話しかけていたから…」

和紀の言葉を聞いて頭が真っ白になる。

意味がわからないよ。

だって前までは元気にしてたじゃん。

何もなかったような顔してたじゃん。

『何で…』

「まぁ…それでいつかは美佐の事も忘れるかもしれん…だからその前に別れといたほうがいいと思って…」

『そんな…嫌!和紀が私の事忘れてもいつでも教える!私が和紀が1番愛して愛されてた!って!そんなんになっても私は和紀を離さない…』

「本当か?俺怖かったんだ…本気で美佐と別れなきゃダメって思ってたから…」
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