“涙空”㊦
そう思っていると健が来た。

「ゴメン!彩!あっ!美佐じゃん!おはよう!」
『おはよう!』

『美佐も一緒に行く?』
『何言ってんの!いいよ!』

『そっ!』

彩はそう言って健と歩いていった。

でも確かに彩は後ろを振り返って『ありがとう』って口パクで言っていたんだ。

私は笑顔で教室まで行く。

教室に着くと和紀が来ていた。

『和紀!おはよう!』

「美佐…」

『あぁぁぁぁ!ちゃんと私の名前覚えてるゥゥ!』

私はかなり興奮した。

「当たり前やって!せめて…美佐だけは覚えていたい…」

『ありがとう!』

私はあまりの嬉しさにテンションが上がった。

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