“涙空”㊦
私も焦って頭を深く下げる。

「じゃあ!」

和紀はもう車に乗っていて私に手を振って車は進んでいった。

私もゆっくり帰る。

「あれ?美佐ちゃん?」
後ろから聞いた事がないような声がした。

でも1回だけ聞いた事があるような…。

私はそう思いながらも後ろを振り向いた。

私はその人を見てビックリする。

「久しぶりだね…」

話す言葉さえない…。

最悪な男。

『何ですか?つぅか1回しか話した事ないのに下の名前で呼ばないでくれない!啓先輩!』

そう…啓先輩は彩を裏切った最低な大学生。

「ちょっと怒ってる??でも名前覚えてたんだ」
『ハァ?つぅか何の用?』

「ぁぁ!彩は??」

彩?

いまさら彩に何の話があるの?

彩は今かなり健と幸せなんだよ。
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