“涙空”㊦
先生は和紀の名前を出した。

和紀は私の手を掴み引っ張った。

和紀の手からは悲しみやいろんな感情が伝わってきた。

黒板の所まで来て和紀が口を開いた。

「あ…」

和紀は悲しいのか目に涙が溜まっていた。

『頑張って…』

私は小声で和紀に伝える。

「あのさ…俺…障害あるやん…最近どんどん悪くなって美佐の友達…親友…後クラスのみんなの名前忘れたんだ…でも美佐だけは覚えてる…まぁそれでこれ以上はみんなに迷惑かけたくないから障害者が集まる学校に明日から行くんだ…みんなとのいろんな思い出も忘れたけど美佐にいっぱい教えてもらうから!今までありがとう!!」

和紀の目からは次々と涙が出ていた。

『植原!美佐の親友の彩!!これからも頑張ってな!!』
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