“涙空”㊦
「はいはい!じゃあ!いきますよォォ!」

先生の合図でみんなが一斉に並ぶ。

「はい!チーズ!」

カシャ!!!

明るいフラッシュが鳴ったと同時にみんなの顔は暗くなる。

『嫌だよォォ!みんなと卒業したかったのにィィィ!!』

彩も…春奈も…愛も…啓太も…そして私も…和紀も…みんな…泣いていた。



「ぁぁ!何か忘れたけどここの学校ではいろんな思い出を作れた気がする!!」

私と和紀は教室を出てただいま門の前。

『いろんな事があったよ!』

「さっ!じゃあ!行くか!またな!学校!」

和紀はあえて『またな』って言って歩き出した。
『じゃあ!私こっちだから!また明日学校終わったら行くから!ハィ!写真!』

私は2枚あるうちの1枚を和紀に渡して帰り道を歩いた。
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