非常なキミ。
*利一SIDE*

麻理が俺を呼んだ気が…した。
辺りを見回すと、ブランコで麻理が泣いていた。
「麻理…?」
俺はジャングルジムを駆け下り、
麻理の元へ行った。
「利一…?」
俺に気付いた麻理は、
驚いた、そして怯えた顔をしていた。
「麻理…ッ」
気が付くと俺は麻理を抱き締めていた。
「…利一?何やってるの?」
麻理は俺をきつく睨み、そう言った。
「ごめん…もう少しこのままでいさしてくれ」
こんな言い分が通じるとは思ってなかったが、
俺は本心を口に出した。
“好きだ”
そう言っても麻理には通じないと思ったから。
「ぃぃょ。」
そうして俺達はお互いの温もりを感じていた。

チュッ…

俺は麻理にキスをした。
麻理はすごくびっくりした顔をしていた。
だが俺は黙って抱き締めていた。
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