君 だ け に
「今から係りと委員会を決めますが、
先に学級の会長、
副会長決めてからにします。」
あ゛、忘れてました。完璧…
私はたぶんならないと思う。
2、1年のときやらされたから。
この学校、前期の会長副会長は
先生があらかじめ最初から
決めるていることになっている。
たぶん、新任の先生は決められないから
学年主任に決めてもらうんだと思う。
「それについては先生が決めて
おいてあるんで。」
クラスからは結構嫌そうな雰囲気
をかもしだしてる。
誰がなるか分からないしね。
「あの、会長は佐伯くんで副会長は
但馬さんにやってほしいと思ってるん
ですがどうですか?」
佐伯くんとは、佐伯直哉[サエキナオヤ]くんの
ことで、小学校は私と同じ地区の
南部小学校だった。
その頃から、少し目立つ存在で
あったらしく、学級の会長とかしてた。
そして、あれ…?
教室の窓からは春にしてはとても
陽気では無い涼しめの風邪が入り込み、
私の頬に触れた。
何故だろう。寒いよ。
たぶん、副会長に但馬美佐がなりそうだから。
せっかく委員会決めてたのに!!!
最悪な感じ。
確かに美佐はしっかりしてて頭が良くて
気が利く子ですよ。
でも…決めてたのにいー。
先生、いくらなんでも勝手すぎます。
美佐はもちろん、全力で否定するはず。
いつものキャラとは違うけどね。
いや、私のこと考えてくれるでしょ。
勝手に美佐の思考を推理していた。
そして美佐の方を見る。
美佐の席は前のドアの近く。
一番右から2列目ののたては2番目。
横4列のたて5番目の私からは
目を動かせば見える位置。
私は頬杖をつきながら微笑を浮かべ
美佐を見る。
美佐は平然としている。
目が合う。
美佐が微笑む。