君 だ け に

「では、他の委員会を決めます。
 委員会名の下に自分の名前を書いてください」




先生が綺麗に消された黒板に
文字がいくつも並んだ大きなコピー用紙
を張る。





みんなペンを持って前に向かう。
っていうか、皆はやいね。
そこまで自分の決めた委員会になりたいかな?
私はどうでもいいよ~。
だって1人なんだもーん。






前に行く途中、美佐の席に向かう。
美佐の顔はいつに無くキラースマイル。
一見そうみえるが、少し
引きつってるようにも見えた。





理由はたぶん、皆知ってるだろう。
だって…裏切られたもん。
私だって、
一人でも全然かまわないし。
とか思えたらいいのに。





意外にナイーブなの。





「みーさーちゃん。」





こんな呼び方はじめて。
わざとしらじらし【ちゃん】と名前に
つけてみる。








「なに?」




美佐いつものように返事をする。
いつもよりも上から目線なきもする。
でも、顔が少し引きつってる。







「何やってんねーん!!」







私の激しい突っ込み。
いつもはこんなキャラしないよ。
でもなんとなく、いえ、わ ざ と
演じてみた。







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