君 だ け に
「いや、ごめんにゃーん」
美佐が猫をかぶる。
顔のまえに両手を精一杯広げて顔を
隠そうとしている。
そして目を細くして歯を見せて笑っている。
男子からしたら美人のこんな顔。
見てみたいよね。
「あのさぁ。」
本日2度目くらいのため息。
一回目は野崎に変な事いったとき。
でも、そんなため息を吹き飛ばすほど
速さで冷静沈着に美佐が応える。
「決定事項じゃん?私が嫌って
言ったところでんじゃ、ほかの人
なんてならないでしょ?
クラスの雰囲気悪くするだけでしょうが」
冷静ながらも少し微笑を浮かべながら
美佐の『確かに』なコメント。
もう、分かったよ。
いいです。わたし一人で保健委員
がんばるからさ。
マジな決意だから。
ほんと、ナイーブとか言ってらんねーし。
あたし実は、一人でも
全然がんばれるこなんだよね。
「うん。ですね。」
こう、応えるしかなかったの。
美佐は頭がいいから『確かに』なコメントが
いっぱい浮かぶのよ。
だからこれ以上がんばって対抗しても
意味なし。