君 だ け に
変な人
がらッ


いきなり教室のざわつきが消えた。
窓際の席の私には
風になびく葉の音がきこえそうなくらい。


先生が入ってきた。
灰色のスーツにエンジ色のネクタイ。
なんか愛したくなる位の
ぽっちゃり 笑
可愛らしい先生だな。
ちなみに男の先生。



「無難な先生やな」



明日夏は果たして「無難」の意味を
わかっていっているのかわ不明…。
たぶん分かってない。
あの子日本語知らないから。



「そーだね」




私、突っ込まないの。
大人だから。
私らどっちも突っ込まないの。
同じ感じだから仲良しなのかなぁ。





教室のざわつきはすぐに取り戻された。
みんな新しい先生についてしゃべってる。
そしてその先生は私たちの名簿を見ている。
真剣な表情。
たぶん名前の確認をしてる。
間違えたら恥かくからかな。





しばらくすると新しい先生が声を張った。
「静かにしてくださーい。」




しばらくして教室がだんだん静かになった。
みんな大体の人は先生を見ている。
先生もまっすぐに私たちを見ていた。














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