君 だ け に
みんなが静かになったのを確認して
先生は少し微笑み
くるっと体の向きを反対にした。
そして黒板に自分の名前を書いた。




「先生のなまえは、高橋孝則です」



よくある感じの自己紹介の仕方だなぁ。
去年の足尾先生もこんな感じで…
まぁ、すごい敬語でえらそうじゃないし。
いい先生そうだなぁ。
中学校3年生、楽しめそ♪





「先生かわいくない?」




あれ…明日夏にしては低い声。
ってか男じゃん。
だれ…ってえ??野崎君じゃーん!!
何って言えばいいんだろう…
話題切れたらダメだよね!





「ピンクもかわいくない?」







はい~?
いま私完璧へんな人だと思われた!
会話が全然成立してないよ。
大体初めて話す人との第一声がこれ?
ってか顔絶対赤い!
もうっ!最悪や!!!
わたしのこうゆう能力の無さに
びっくりするよ。





「うん。オレすきやで」





ていうか、意外に会話が成立してる。
あ、こいつも馬鹿なんだ。
もっていうか私は違うけどね。
いま、少し【すき】って言葉に反応した…
気のせいかな。




「あ、野崎やんなぁ…??アタシと地味に
3年間同クラってしってた?」





知らないとは思ってたけど口から出た。
この言葉。
知ってたらすごいなぁ~。




「あ!本当や!ってか、知ってたけどね」




歯を少し見せて笑った。
意外に知ってた…。
3年間同じクラスって珍しいしね。
知ってて当たり前か。
笑ったところは見たこと無かったけど
意外にかわいいなぁ。




っていうか、野崎俊…
何者!??

















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