不真面目な先生が好き。



盗み聞きはダメ。
そんなの分かってる。



でも、体が動かない。




「ねぇ…私、先生が好き。」



「ごめん、お前はやっぱり生徒だから…気持ちには答えられない。もっと好きなやつ、お前なら出来るよ。」



「嫌…私は先生が好きなのっ他に好きな人なんて出来ないよっ…」


その女の子は先生に寄り添って泣き出した。



この後、私の心は今よりもっと暗くなる。




先生はその女の子の頭に優しく触れたんだ…




何でその子に優しくするの?


先生のその優しい手は、私だけのものじゃなかったの?



私は悲しい涙を流した。




例え泣いている子が居たとしても、触れて欲しくなかったな。




でも、この涙はそれだけの涙じゃないよ。






“やっぱりお前は生徒だから…気持ちには答えられない。”




自分が言われてる訳じゃないのに、自分が言われてるみたいで、すごく悲しかった。



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