僕と彼女のウラ事情
「・・教室での中村君は、優しい紳士。
放課後は友達をイジって笑ってる。
・・最初見た時は、どれが本物??
って思った。・・・・でもね」
そう言うと、美吉さんは微笑んだ。
「全部君なんだよね。
・・助けてくれて、本当にありがとう」
美吉さんの言葉に、僕は。
いつも男友達にしか見せない笑顔で、
笑ってみせた。
「・・・ありがとう」
「こちらこそ♪」
そして僕等が笑い合っていると、
「・・あ。ごめん、バイト先こっちだから
ここで曲がるよ」
僕が道を指差すと、美吉さんは慌てだした。
「えぇっ!!バイトあったの!?
遅れてない!!?」
・・・・・・はい、1時間半の遅刻です。
なんて言えないわけで。
「んーん、店長知り合いだから多分平気。
気にしないでいいよ」
「・・っでも・・・・」
イマイチ納得しない美吉さんに、
僕は欲を出して言ってみた。
「・・じゃぁ、名前で呼んでよ」
「・・・・ぇ・・」
僕の言葉に、彼女は固まった。
「それでチャラにする」
僕が赤い顔で、精一杯かっこつけて
言った言葉に、
美吉さんは赤い顔で笑ってつぶやいたんだ。
‘私も名前で呼んで”
って。