僕と彼女のウラ事情
「・・ひろき・・くん・・?」
腕の中の美吉が呟いた。
僕は腕に、さっきよりも力をこめた。
「・・美吉はココにいて・・。
‘ほのか”って存在は、
・・ちゃんと、いるから・・!!」
「・・・・っ」
制服の胸の所が、じんわり濡れた。
・・美吉の涙で。
「自分を否定しないで。・・認めて。
自分に価値がないなんて、
思ってたら、許さない」
「・・・・」
美吉を離して、涙目の彼女を見る。
小さな子どもみたいな泣き方に、
僕は優しく微笑んだ。
「・・美吉、ケータイかして?」
「・・え?うん・・」
涙を拭いて、美吉はケータイを
僕へ差し出した。
「・・・・よし」
大輝はしばらくほのかのケータイと
自分のケータイをいじって言った。
「・・はい、ありがと」
受け取ったケータイの画面は、
「・・コレ、大輝君の・・?」
大輝のアドレスと番号があった。