俺、変わる
安藤尚の耳に、
なんとか顔を近付けて、
「お兄ちゃん、かっこいいけど、
あたしには、安藤尚しかかっこいいって思わないよ?
今日、楽しみにしてたのになァ…。安藤尚、楽しくないの?」
ちょっぴり甘い声。
自分でも恥ずかしくなるようなセリフ……
安藤尚は、真っ赤になって……
あたしの耳に顔が届くようにかがんで、言った。
「ありがとう。夏奈、後で2人きりになりたい。」
そして、耳元を隠す手をそのままに、
あたしの耳に、キスを落とした。
今度はあたしが赤くなる番だったみたい………