光の姫は何も知らない

｢それはカイジさんが白原さんを睨んでいたからでしょ｣


そう言いながら少し小柄な緑色の髪をした男のコがこちらに向かってきた。


｢白原さん。はじめまして！ 僕は碧山 風太(ﾐﾄﾞﾘﾔﾏ ﾌｳﾀ)って言います。
能力は風を操ることが出来ます。ミズノさん共々よろしくお願いします｣


ペコリとお辞儀をしながら挨拶をする。


今度はまた礼儀正しい子だな。


碧山君の喋り方や行動でそう思った。


それに背はあたしと同じくらいかな。
顔が可愛いのに背が高かったらイメージがないんだろうけど。


なんて勝手に想像してると碧山君は不思議な顔で『どうかしたんですか？』って尋ねられちゃったので慌ててさっきから壁に目をつぶりながら、もたれかけている金髪の男のコを尋ねた。


｢あの金髪の人は？｣


あたしの声に金髪の男のコはピクリと反応したのかつぶっていた目を開き、口を開いた。


｢俺は…黄村 雷兎(ｺﾑﾗ ﾗｲﾄ)。能力は雷…よろしく｣


抑揚のない声で自分の事を喋るとまた目をつぶってしまった。


これはまた冷静な人と言うのか…


それにしてもさっきから言ってる能力ってなんだろう。


そんな疑問が脳裏に浮かんだ。



｢あのう…さっきから言う能力ってなんですか？｣