光の姫は何も知らない
ったく。勝手なやつ。


赤井君がでていった部屋の扉を見ながらそう思った。


「とりあえず話し合いは済んだから今日は解散ってことでいいかな?」


さすがリーダーと思うほどのタイミングでミズノ君は言う。



「いいんじゃないですか? なんか僕、疲れました」


「俺も、それに賛成…」


ミズノ君の言葉に他の2人も賛同した。



そしてあたし達は皆で部屋を出て行く。


「あっ! そういえばあたしってどこに泊まればいいのかな?」


あたしの前で歩いていたミズノ君に声をかける。


ここに来る前に赤井さんは入学したら寮生活だからって言われたからあたしにも部屋があるはずだ。


「あぁ。そういえば校門の前で茶々木(ササキ)さんに連れて来られたんだっけ?」

「茶々木さん?」


「茶々木さんはさっき後ろの方で黙ってオレらを見ていた黒い服装の人だよ」


あの怪しい黒装束か。


「それよりも聞いてないかもしれないけど班は同じ部屋にされるんだ」


「同じ部屋って誰と? というか班ってなに?」


ミズノ君の言ってる意味がイマイチわからなかった。






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