光の姫は何も知らない
一人わかってないことを悔しがりながらも恥を承知で碧山君に話しかける。


だって自分だけわかってないなんて嫌なことない?


「あぁ…すみません。わかったことが嬉しくて


えっと、ですね
白原さんが持ってる力は特殊なものなんです。僕達が使うものと比べてもです


光の力は伝説でした。光は救世主であり姫である。だから昔から女の人しか使えないものと記されています。


そんな光の姫と呼ばれる人に傷が癒せなくてもおかしくないというのが僕らの意見です。それと同じで昨日のカイジさんの能力を無効果できたのだと思います」



そんなお伽話を信じろと?

でも信じなきゃ碧山君や赤井君、ミズノ君の力を否定することになる。



この目でしっかりと見たのだからそれまで否定することなんて無理だ。


「仮にその仮定が合ってるとして光の能力があれば他にいらなくないかな?」


何気ない一言に二人は押し黙ってしまう。


あれ? あたし何か余計なこと話したかな?



「その話はあとで話しましょう。白原さんはもう準備は終わりました?」


碧山君が急ぎ足で聞くから小さくコクンと頷くと碧山君はあたしの手を引っ張った。



「それじゃあ今からミズノさんを呼んで特訓しましょう」


そう言いながら外に出ようとする。


「そういえばライトさんの部屋は向かい側です! そこで寝ないで下さいね!」

出る間際にあたしのベッドで寝ようとしていた黄村君に注意をしていた。



なんか碧山君の方がリーダーみたい。


そう思いながら碧山君の後を着いていった。








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