光の姫は何も知らない
「理事長が白原さんを見たのって白原さんが走っている時だったよね?」


赤井さんと? 確かに体育大会がきっかけだけど…


「そうだけどそれがどうかしたの?」


あたしの答えにミズノ君は腕を組みながらうーんと唸りながらも考え事を仕出した。



深く考えてるけどどうしたのかな?


そう思いながらもまた集中しようとした時に、



「そうか!」


ミズノ君が大きな声を出したからビクッと体が震えた。


なっなに?


「ミズノさん? どうかしたんですか?」


近くにいた碧山君も驚いた顔をしながらミズノさんに聞く。


「あー。二人ともごめんね
白原さんって走る時に何を考えてる?」


「そんな急に言われてもな…」


小さな声で呟きながらも走っている時を想像する。


「えっと…何も考えてない、ですね」



「何も考えてないですか…
だったら今から徒競走しませんか?」


ミズノ君の急な提案にキョトンとした顔でミズノ君を見つめる。


隣にいた碧山君も同じような顔をしていた。




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