光の姫は何も知らない
ミズノ君から何も説明されないまま碧山君と徒競走をするはめになった。


「なんで僕なんですか」


なんて碧山君は呟いていたけどミズノ君はそれを無視していた。


「そうだ。白原さんの自己ベストは?」


「自己ベストかぁ…。正確に計る時は本気で走ってないのでわかんないですね」


今まで体育大会とかの本気で走らないといけないって場面の時にしか本気で走ったことなんてなかった。


「そうか。なら今回は本気で走って下さい。フウタも足は早いのでそれに負けないようにして下さればいいんですが…」


あたしが負けるの確実みたいでムカつくわ。



ミズノ君はあたしに伝えるだけ伝えてゴール地点に向かっていた。



絶対負けない。


そう意気込みながら碧山君を見ると碧山君はため息をつきながら走る準備をしていた。




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