光の姫は何も知らない
そう思いながら顔をあげるとそこには手のひらをを振りかざしたミズノ君がいた。


その瞬間、叩かれると思って目を閉じるとそれと同時に碧山君がミズノ君の名前を呼ぶ声がした。


ミズノ君は碧山君の声で我に返ったのか手の平はそこでピタリと止まった。


そしてその手を下に下ろした。


「その…すみません。怒りに任せたらつい。
でも…白原さんは覚えといて下さい。
あなたには能力があるんです。そうじゃなければ理事長があなたを連れてこないでしょう。

ここに来た以上あなたはそれを認めて下さい。

ではオレはここで失礼します。悪い、フウタ。あとは頼む」



ミズノ君はそこまで言うと寮に向かった。



「ミズノさんが感情的になるなんて珍しいですね。
でも、それほどヒカリさんには自分の能力を自覚してほしかったんだと思います。

だから気を悪くしないで下さいね」



碧山君とミズノ君の言葉に自分の能力は認めないといけないんだって思った。


だけどこの能力を自由に使いこなせてないのにここでやっていけるのだろうか。


そんな不安を感じながら今日の一日を終えたのだった。






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