光の姫は何も知らない
「そこに突っ立ってるのやめてくれない?」


ぼーっとミズノ君を見ているとガタッと音を立てながら椅子に座る赤井君に声をかけられた。


げっ。またこいつかよ。



さっきまで暑かった顔が嘘のように涼しくなる。


「突っ立っててどうもすみませんですね」


嫌味を呟きながら席に着くとそれがしゃくに触ったのか赤井君が大声を出す。


「この女。昨日にも引き続き俺を馬鹿にしやがって!」


「あたしは女って名前じゃありませんから。あたしには白原 光って名前なので」


ホント赤井君は短気だよね。

赤井君の挑発に乗ってるあたしもどうかと思うけどね。



「名前なんてどうでもいい。今日こそはその生意気な態度を変えてやる。今から表に出やがれ」


赤井君は指をクイッと外に向けながら外に出るように仕向ける。



「今から朝ごはんだから、い・や」


せっかく食堂に来たのになにも食べないなんて来た意味がなくなる。


「おまえ…」


「文句言ってないで行くよ。赤井君もまだ食べてないんでしょ?」


そう問い掛けながら席を立った。


そのあとを赤井君が渋々という感じで着いてきていた。




「白原さんってカイジさんの扱い方に慣れてきてますよね?」


「あぁ…。オレでさえ苦労したのに」


「俺、ご飯取りに行ってくる」



ヒカリとカイジが席を立った後にそんな会話があったのだった。





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