光の姫は何も知らない
トレイを片手に何を食べるかを考える。


うーん。今日はなぜかお腹すいてるんだよね。


｢おい！ いつまで悩んでるつもりだよ｣


いつの間にか先に行っていた赤井君が面倒臭さそうに言う。


｢なに食べようか迷ってるだけでしょ。いちいち文句言わないでよ｣


｢そんなの食べたいもの選べばいいだろ？ これだから女はめんどうなんだよ｣

やっぱり赤井君といるとムカつくわ。女だからってなんだって言うのよ。

結局は同じ人間じゃない。


｢カイジ…それは男女差別だよ｣


あたしと赤井君の間に不穏な空気が流れてる時にゆったりとした穏やかな声がした。


この声って…


バッと振り向くと赤井君も気づいたみたいで同じように後ろを振り向いていた。


｢なんだかんだで二人は仲いいよね｣


そこには眠そうな顔をした黄村君がいた。


｢誰がこいつと仲がいいんだよ！｣


黄村君の言葉に心底嫌そうな顔で怒鳴る赤井君。


仲が良いとは思わないけどそこまで言うことなくないかな。


赤井君の言葉にちょっぴり傷つきながら朝ご飯を選ぶのだった。




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