光の姫は何も知らない
「人のこと呼び捨てにしないでくれる?」


「はあ!? なんでこいつはよくて俺はいけないんだよ!」


赤井君は黄村君を指さす。その様子を心底嫌そうな顔をする黄村君。


「人に指ささないでくれる?」


「お前は黙っとけ! 俺はヒカリと話してるんだからな」


なんか面倒なことになってない?

多分あたしのせいだからあたしが止めないといけないんだろうけど…二人は仲悪いんだなぁ。


なんて二人を見ながら(得に赤井君の怒鳴り具合だけど)そう思った。


「あー。そのぅ…ごめん。
赤井君に呼び捨てされるとは思わなかったから…つい…」


二人の間に割って入り赤井君の目を見ながら謝る。


「いや。俺もついカッとなっちまったからわりぃ」


あたしが目を合わせるとスッと顔を背けてしまう。


ん? さっき赤井君の顔が赤かったような…



「カイジ、照れてる?」


あたしが思ったことを代弁するかのように黄村君がぽつりと呟く。


あー。赤井君って言葉が乱暴なだけなのかもしれないな。



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