光の姫は何も知らない
このままだと負ける−


皆がそう思った時−


光の姫は最後の力を振り絞って闇の王を封印したんだ。


自分の命と引き換えに。


その時にまたこのようなことがあったらダメだと思った創設者が闇の王の監視と共に能力者の育成をということでこの学校を設立したんだ。


ちょっと説明が長くなったけどそれが伝記に残ってるんだ。
監視と育成と共にまだどこかに潜んでるシャドウを倒すのもあるけどね。
それが任務ってやつ」


この学校にはそんな訳があったんだ。
あれ? 闇の王の監視って…


「ミズノ君の話によると闇の王ってこの学校にいるの?」


あたしの率直な質問にミズノ君は口に指を持っていき、シーッて子供に黙っていなさいってやる時にやるポーズをした。


これは極秘ってこと?


そう思っていると碧山君が口を開いた。


「ミズノさんはそうやって全部話しちゃうから気にしちゃうのですよ」


そう文句を言いながらも目では早く話せよって言ってる気がした。


「白原さんはそんなに気になる?」


ミズノ君が急に真剣な顔をしてあたしを見つめる。


「はい。気になります」


それにあたしもつられて敬語で答える。


「じゃあ、今度の任務の時に何があっても逃げないって約束できる?」


「出来ます!」


なんでこの時に任務って出たのかわからなかったけどこれに頷かないとこの先のことを聞けない気がした。




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