光の姫は何も知らない
それにしても最初と比べたらライト君もしゃべってくれるようになったよね。


ライト君を見ながら小さく笑ってるとライト君は不思議そうな顔をする。


「俺の顔に、なにか…付いてる?」


「うぅん。何もついてないよ。
ただ前と比べたらしゃべってくれるようになったからさ」


あたしの言葉にライト君は首を傾げながらゆっくりとした口調で話す。


「俺は…最初から喋ってたと、思うけど?」


「いやいや。ライトは最初からあまり喋ってないから!」


あたし達の会話を聞いていたのかミズノ君が会話に入ってきていた。


ミズノ君の言葉にあたしもついつい『確かに』って思ってしまった。



「それにしてもライトがこんなにも早く人に懐くなんて珍しいよな?」


確かに。赤井君の次に近づきがたいって思ってたもん。


「うーん。ヒカリが思った以上に柔らかかった…から?」


はっ? えっ! ちょっ!? ライト君なに言って…


昨日のことを思い出してしまい顔がみるみる赤くなっていくのを感じる。


今ここで言わなくても良くない?



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