光の姫は何も知らない
あたしの様子で察したのかミズノ君が怒ったような顔をする。


「ライト。お前また…」

「そうなんですよ! ライトさん。また部屋を間違えたんです。それも寝ぼけて白原さんに抱き着いてましたし」


いつの間にか側にいた碧山君が昨日のことを詳しく話してくれる。


そのことに改めて恥ずかしくなって顔が赤くなる。


「で、そこで…なぜお前が赤くなる?」


下を向いていてわからないけどこの声はライト君だよね?


そんなん急にあんなこと言われたら恥ずかしくも…


そんなことを思っているとライト君の声がまたふってくる。


「カイジ」


「へっ?」


あたしのことじゃないの?


そう思いながら顔をあげるとあたし以上に顔を真っ赤にさせた赤井君がいた。


「いや…お前、抱き着いてたって…ハレンチすぎるだろ?」


いまどきハレンチって…


赤井君の言葉につい笑ってしまう。


それにつられたのか赤井君以外の皆も笑っている。


「笑うな!」


なんて赤井君は怒鳴るけどそんな真っ赤な顔で言われても全然怖くないんだけど…


その怒鳴り声は更なる笑いに繋がっていた。



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